2017/10/28

リレー式ステップアッテネータのカスタマイズ(高音質抵抗、バッテリ電源等)

手作りアンプの会 I氏設計のリレー式ステップアッテネータ(LOG-ATT-V3)は音質、使い勝手共に非常に良くできています。
この度、これをCDプレーヤ出力のアッテネータとして活用すべく色々いじってみました。

抵抗のTuning

当方のCDプレーヤはWM8740ツインDACの出力をルンダールのトランスで簡単なフィルタリングとレベル調整をしてます。この出力側の終端抵抗は音に対する影響が大きく、色々トライしましたが最終的に東京光音になりました。しかし、その音は鮮度が少し物足りないと感じてました。
今回製作したステップアッテネータに入れ替えるにあたり、高音質にするため、音質に影響のあるインピーダンス設定用の抵抗2本を、はたと気づいてこれまで10年以上部品箱で眠っていたアルファの日本製金属箔抵抗を引っ張りだして使ってみました。
 
設定インピーダンスは6.8KΩです。これだとルンダールの負荷抵抗としてもJUST FITです。

バッテリ電源

標準では6VACアダプタとなっています。 そして、これを作った仲間うちでノイズ対策が話題になっており、ACアダプタからのノイズ飛びつきが原因であることが確認されてます。ACアダプタ電源がフロートしているので、電源の片側を信号系グランドにつないでやれば問題は解決できます。
ただこうするとACアダプタ内での絶縁具合により出来る大きなグランドループにより微小なノイズ電流がRCAケーブルに流れる事が考えられます。
それでこのループをなくすためバッテリー化を検討しました。
この動作電流を測定すると、スタンバイ時で4mA、リレーのステッピング時に2秒程35mA程度流れます。
バッテリは手持ちの充電可能なLiイオンの006P型、China製にしました。
中国製充電器とバッテリ(アリババで)

電圧は9Vと高めですがLDOレギュレータのTA78DL05の最大入力電圧は29V、最大損失は2.5Wもあり、通過電流もごく小さいので、全く問題なさそうです。電圧が高い分、バッテリの使用可能時間も伸びる事でしょう。1週間程度は持つのではないかと思ってます。

専用グランド線

フロートしているDC電源のグランディングを信号のRCAケーブル経由ではなく専用のワイヤで、このアッテネータをつなぐ機器のグランドに落とせるようにしました。
安物のRCAケーブルの途中を切って、DC電源のプラス側から線を引き出してます。
接続先の空きRCA端子に差し込めばグランディングができます。
信号系統のグランドはオリジナルどおり、LOG-ATT内ではどこにもつなぎません。

結果とコメント

ヘッドホンで聴きましたが、音はこれまでより立体的にそしてクリアになり、微細な音(女声や楽器のテクスチャー、暗騒音、録音時のアンプのノイズなど)がよくわかります。
手持ちののChord MOJOよりも高音の伸びなどを含め全般が良くなってます。このCDPとステップアッテネータはメインの座に座ることになりました。
今回の高音質化に貢献しているのは、CDP自体の素性の良さに加え、どうも、アルファの金属箔抵抗と専用グランド線のようです。この抵抗は買った当時は高音よりのピャラピャラとした音だったような記憶があり、長期休眠になってました。今でもリード線の構造が太くなったモデルが若松通商で販売されており、Vishay VSRより安いので、いずれ他の何かに使ってみようと思います。

006Pバッテリは止めてないのでカタカタ動くので何れホルダーで固定します。


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2017/10/25

3+1WAY マルチアンプシステム現況

ご無沙汰してます。
一応マルチアンプ化したところで、このところ音楽を聴くのが多くて製作はサボっておりました。
マルチアンプのクロスオーバー(チャネルデバイダ、ー6db/oct直列分割型)を使ってみて、傾向や課題が見えてきたのでとりあえず同じケースに作り直しました。

CR1個で2分割できる直列型はクロスオーバー周波数の決定には最適ですがアンプ同士がお互いに干渉しあい電源オンの時のトランジェントが相手側に影響しあいます。それでバンドごとに独立させ各帯域用専用のCRフィルタを設けることにしました。

それと、回路のインピーダンスを下げて、抵抗やコンデンサによる音質への悪影響を軽減させました。
抵抗の音質は音響用であればよいだけではなく、低抵抗の方が音の透明感や立体感が増すような気がします。
この感じはアンプやDACの低雑音化を追求する時に似ているので抵抗の雑音や揺らぎが影響しているのかもしれません。 
それで抵抗は金属皮膜Vishay VSRとし、コンデンサは手持ち多数のポリプロピレン フィルム ASC X363を使いました。
高音質部品を使えるのは素子数が少ない1次フィルタのおかげですね。
-6db/octクロスオーバー

クロス周波数は素子の抵抗値により1.17KHzと10.6KHzとなりました。-6dbスロープなので設定周波数はクリティカルではありません。
入力インピーダンスはChord MOJO(出力1W)や自作ヘッドホンアンプでドライブするので340Ωと普通よりは大分下げられました。


コネクタが3.5mm、RCA,XLRと3種になってますが、最終形ではRCAに統一した方がスペース的にも接触のためにもよさそうです。
全体の構成は結果的にノイズや音質の関係で自作機器の集合体になりました。アンプもシングルやPP、出力デバイスもMOSやSIT、帰還・無帰還などが混在してますが、シンプルな回路にしてるので音質の傾向は似ている様です。
システム構成

暫定アンプ群、前方はLog Step ATT
小音量から大音量レンジまでと超低域から超高域迄にわたり
透明で繊細な表現ができてそうです、音像は少し後方に定位します。
MOJOだけでなくWM8740ツインDAC入りCDPも手作りアンプの会I氏設計のステップATT、自作ヘッドホンアンプを通して聴きましたが、滑らかで柔らかい音がして悪くないです。
つなぎ変えも簡単なので今後色々と実験してみます。


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2017/08/04

3Way 6db/Oct チャネルデバイダー マルチアンプの実験

2WAY 6db/oct チャネルデバイダの実験結果が想像をはるかに超えていて、全くビックリしました。

それに貢献したものを上げてみると

  • 6db/octフィルタ; トランジェントを含む波形の合成が正確
  • CRによる電圧分圧パッシブ型;シンプル、歪、ノイズが少ない。
  • シンプルなシステム構成; DACからスピーカ迄最短
  •   MOJOーー>CRチャネルデバイダーー>HFアンプーー>TD4001
  •                   Lーー>LFアンプーー>TM1201    

が挙げられると考えます。

6db/octのスロープのデメリットとしては必要帯域外のカットが不十分だとか低域大振幅がHFユニットに入るので危険との意見もありますが、ユニットの素直な特性、高耐入力などもあるので、今のところ気にしてません。

という事でNEXT STEPは3WAY化となるわけですが、その前にここでシミュレーションをしておきましょう。



C6,R6でLF/MFのクロスが決定され、C7,R7でMF/HFのクロスが決定されます。
先の2WAYデバイダの実験では1番最初に抵抗がありましたがこちらではコンデンサを先頭に持ってきました。こうするとHFの信号がコンデンサを2回通るので低域では12db/octでカットされるようにできます。全体の和特性は不要なので載せてないですが0dbラインのー直線となり高域迄フラットになってます。

では、6db/octフィルタの特徴であるトランジェント・パーフェクト(Transient Perfect)特性(トランジェントの再合成が完全である。伝達関数=1と同意義)を確認してみましょう。
上段;合成波形(正相加算)
下段;3Way 6db/oct;LF、MF、HFへの分解波形
1KHz方形波の入力をきれいに分解し、再生したら元の波形が再現できてます。正弦波でも入力と同じ波形を正確に再現できます。
一方これまで使っていたバターワース特性12db/octの場合はどうなるか、参考までに同じ方形波入力での応答と合成をシミュレーションしてみました。
上;合成波形(逆相加算)
下、2Way 12db/oct LF、HF波形

こちらは波形合成はうまくできてません、この合成波形は入力周波数によっても大きく変わり、似ても似つかぬ波形が出てきます。周波数軸での特性ではフラットになるにしてもどうにも釈然としない思いがあります。

ということで3WAY CR電圧分割 6db/oct チャネルデバイダができました。

HF出力は3.5mmジャック。MFはRCA端子、LFはXLR

必要な定数を出すために手持ちの部品をかき集めて作ってます。
但しMF出力は本来、バンドパスフィルタ特性であるべきですが、CDホーンなのでHFとのクロス無しでそのままHF帯域迄ストレートに出してます。CDホーンイコライザの代わり。
こうするとMF用アンプは差動入力でなくとも良くなるし、手持ちには2代目の差動入力アンプがないので困っていたところでした。普通のアンプが使えるのはメリット。
ボリュームはツイータのクロスを探るために入れて、クロスは10KHzから20KHzまで可変できるようにしました。
実験機回路 MFはストレート。合成出力Allは高域で上がる。

マルチアンプでのテストは手持ちのアンプを寄せ集めました
テスト風景


  • LFは差動入力のある2SK82サークロトロンアンプでTM1201を。
  • MF用はT2アンプで47uF経由でTD4001を
  • HF用はKenwood KAF7002(50W+50W、6Ω)で18uF経由でパイオニアPT-R9リボンツイータを。


3Wayとしてのレベル調整は格段に難しくなりました。しかし、MOJOは本来ヘッドホンアンプなのでヘッドホンを同時につないで音のバランスを比較調整できるのはいいです。
PT-R9も今までは、お休みしていたようで、今度は積極的に音作りに参加しています。PT-R9の位置はJASのハイレゾマスターサウンドCDにある「三下がり」で合わせました。バイオリンが良いという話もありますがこちらの方が分かりやすい。前後に移動すると面白いように音が変わり、最もバチの音がしっかりハッキリする所にしました。
バックグラウンドのノイズも減った気がしますのでタイミングもあってるのでしょう。
PTーR9のクロス周波数は10Khzから20KHz迄動かしてみましたが音質の変化は良くわかりませんでした。6db/Octだからそう変化は無いのかも知れません。
TD4001+JBL2380ホーンは位置を前後するのは困難なのですができるだけ、ウーファーとの時間差を少なくなるよう前方に出しました。

全体の音はクリアさ、スピード、テクスチャーなどかなりグレードが上がったと思います。

マルチアンプにすると弄る処がかなり増えるのでこれからも色々遊べそうです。

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2017/07/27

クロス可変6db/Oct 2Way CR チャネルデバイダーの実験

お久しぶりです。
このところ、気が乗らずブログの更新をサボっておりました。
でもオーディオの方はSITサークロトロンアンプの改良やKiCadとラミネータ改造でのプリント基板作りなどをやっておりましたので、いずれ機会を見てご報告いたしたいと思っております。

さて、今回のはマルチアンプに必須のクロスオーバー?チャネル・デバイダー?の件です。マルチアンプ用のクロスオーバー・チャネルデバイダーはCR1次にはじまり、DSPを使ったマルチDACに至るまで多種多様で一体どれがいいのか判断に困ります。

これだけ多くのモノが有るというのは要するにどれも完璧ではないという事なのでしょう。
テツが以前にマルチアンプに挑戦したのはバランスLCフィルタを使ったものでインダクターの特性などのせいか良い印象はありませんでした。

この度のチャレンジはCRパッシブ2WAYチャネルデバイダとしました。これは非常に簡単に作れ、帯域外遮断特性を除けば位相特性、波形合成の点において完璧なフィルタ、クロスオーバーになります。
クロスの周波数をボリュームで連続的に変えてベストな位置も探れるようにもしました。

で、出来たのはこれです。

あっけないほどシンプルに出来ました。

入力は3.5mmステレオジャックでChord MOJOから低出力インピーダンスでドライブされます。主要部品としては片チャネルあたりコンデンサ1個と抵抗1個それと2連ボリュームを使っています。高域出力は差動出力とし、XLRコネクタ渡しにしてます。こうすることにより「LPFの入出力の引き算によりHPF;高域信号を取り出している」とみることもできますね。
定指向性ホーンのイコライジングはfoobar2000内蔵の「Equalizer」を使って簡単に済ませました。

テストはメインシステム(TAD TM1201バックロードホーン TD4001ドライバ+JBL2380ホーン)につないでみました。DCカットの為、ホーンドライバは47ufのフィルムコンを経由してます。
ウーファーはT2 25Wアンプ、TD4001は差動入力SITサークロトロンアンプ20Wでのドライブです。
マスターボリュームはMOJO内蔵、高域レベル調整はアンプ内蔵ボリューム、低域はストレートです。

結果はこれまでの想像を色んな意味で超えました。

オーディオはまさにやってみないと分からないですね。
これまで使っていたネットワークはクリアさとトーンバランスで負けました。
ノイズはアンプ直結の超効率120db/Wのホーンでありながら耳をホーンに近づけても全く聞こえません。金田氏をはじめホーン使いのシステムにCRパッシブデバイダのユーザーが多いのも分かります。
クロス周波数はホーンが大き目なので1KHz以下にできるかなと思っていましたが、これを下げると実体感が薄れてきます。そしてこれまでよりも高い2KHzくらいがバランスが最もいいような気がします。これは-6dbスロープなのでホーンとウーファーの再生域の重なりが最も大きくなるあたりです。ここはホーンを使っているマルチアンプの先輩方の情報とは傾向が違っているようです。今後、もう少し聴いて探りを入れてみましょう。
ツイータのPTR-9も追加できるように6dbスロープ3Wayタイプのシミュレーションも終わりましたでそのうちトライしてみましょう。



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2017/06/12

SITアンプ 正負出力段レギュレータボードの設計

2SK70ー2SJ20 SITアンプ用のレギュレータを検討しました。

SITは3極管特性なのでDC電源はレギュレータ供給にし、バイアス印可よりも遅れて出力段電圧を供給するのがいいと思います。

検討した結果、+/-25V、7A 正負レギュレータで同時出力、同時シャットダウン、起動時間は10ms程度の遅延を持たせる回路ができました。
(LTSpiceでのシミュレーション)
右;Dual Regulator
左;DC入力後の正負出力波形。シャットダウンは40-70ms間

肝は、そのままでは自己起動しないCFBレギュレータに、外部からDelayをかけた起動電流を流しこんで目覚めさせるというトリックで左隅の2SK30とCR、ZDがその役目を持ってます。CRでDelay時間を決めます。
出力トランジスタはMOSFETではなく、音が良い気のするバイポーラにして、サンケンのパワーダーリントン2SD2560と2SB1647を起用します。

レギュレータ部回路はこれまでもいくつかのアンプに実装して好結果を得ているので、これで基板を起こしてみます。
基板作りはこれまで色々と頑張っても中々うまくいかなかったのですが、ようやく
Kicadとトナー転写法でめどがつきましたのでやってみます。


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